目次
パパ活とは
そもそもパパ活とはなんなのか?
ざっくりと説明するなら、「有料デートで男性をもてなす」です。
男性=パパが好みの女性と一緒にご飯を食べたり、デートをしたりする代わりにお礼の気持ちとして「お手当」=お金を相手の女性に渡します。女性がパパのために時間を割いた対価として、そのお金を受け取ることを「パパ活」といいます。
たとえば普通の恋人同士であればお互いに損得感情などなく一緒に行動するのが普通ですが、一方パパ活は何らかの見返りありきの関係です。
その代わり相手の男性は有意義な時間を過ごし、結果そのお礼としてお手当が女性の手元に入ることになります。
結果としてWIN-WINな関係が成り立っている訳です。本来はただの「有料デート」ですが、中には同意の上カラダ込みのデートをして、お手当金額をはずんでもらうパパ活女子もいます。
男性とのあれこれでお金が発生する場合、法に問われることはないのでしょうか。
不倫・出会い系など、男女間のトラブルについて顕著なS&M法律事務所の小林芽未先生へ、誰もが気になる不安をぶつけてみました。
現在パパ活女子に人気のあるアプリは以下の3つです。
おすすめパパ活アプリTOP3
パパ活と援助交際・売春との違い
たとえばデートだけならまだしも、カラダの関係があったらそれは売春になるのではないでしょうか。
パパ活で法に触れて問題になることはありますか?
お金が発生し、まして男女間のやり取りなので犯罪なのでは?と不安になりますよね。
とはいえ注意すべき点もありますので、詳しくご説明しますね。
パパ活は違法じゃない…それなら売春は?
売春とは、売春防止法第2条にあるとおり「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」です。
パパ活も同様に考えてしまいそうになりますが、違いはデート相手は一人ということ。
もしカラダ込みのデートとなっても相手は一人なので、パパ活は売春ではないため違法とはいえません。
ただし第5条に記載の具体的な処罰対象となる行為をした場合は例外です。
たとえば、「売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。」
無理に勧誘したりつきまとったりするのは法により罰せられます。
参考:売春防止法
援助交際は違法?パパ活との違いはあるのか
援助交際とは売春を柔らかく言い直した言葉です。
文字どおりに捉えるなら、「男性が女性に対してお金の援助をしながら交際をすること」。
しかし売春と意味合いは同じで、主に未成年の中学生・高校生などが売春をするときに使われます。
援助交際は売春と同じで、あくまでカラダの関係が前提の違法行為です。
パパ活と売春(援助交際)の違いは性行為
パパ活と売春(援助交際)は何が違うのかというと、お金でカラダを売ることが目的ではないということです。
本来は女性が男性からお金をもらう代わりに、一緒に食事をしたりデートしたりすることをパパ活というので、売春や援助交際とは目的が異なります。
肉体関係(性行為)を持つパパ活は違法なの?
前述のとおり、たとえお金をもらいながら肉体関係(性行為)があっても、パパ活は違法ではありません。
パパ活は不特定多数の男性と性行為をすることを目的としていないため、法には触れないのです。
たとえば彼氏彼女・夫婦間で、お金のやり取りの上で性行為があったとしても、それは特定の相手と行なっているので売春ではありません。
パパ活も同様に特定のパパとやり取りをするので、違法ではないといえます。
パパ活の肉体関係は恋人や愛人と何が違うの?
パパ活で肉体関係を持つことは、基本的に恋人や愛人と同じで、デートの延長上にホテルなどに行くことが多いです。
違いとしてはデートをするのに「お手当」が発生すること。
女の子とデートしたい男性と、お金がほしい女性間で、お互い意見が一致したときに初めてパパ活が成り立ちます。
「有料デート」というと言葉の響きが悪いので、柔らかく言い直したのが「パパ活」なので、デートの内容は普通のカップルと大差ありません。
パパ活はどこまでが合法でどこまでが違法なの?
パパ活は基本的にお互いの合意で成り立っているので合法です。
たとえばお金を払う男性側から無理に肉体関係を迫ったり、反対に女性側から強要したりすれば、それは立派な違法行為です。
食事だけ、デートだけなら、たとえ未成年であっても厳密にいえばパパ活できるといえます。
しかしパパ活サイトなどでは未成年の利用を禁止しているので、実質のパパ活は18歳以上が対象となりますね。
未成年のパパ活は違法?補導などはされる?
18歳以上であれば基本特に問題なくパパ活できます。
前述のとおり、たとえば18歳未満の女子高校生でも食事やデートだけならパパ活はできるのですが、性行為があった場合は児童買春・児童ポルノ禁止法によりパパが罰せられることになります。
また出会い系サイト規制法により、18歳未満の女性が出会い系サイト経由でパパ活をすることはできません。
なお出会い系サイト規制法は、18歳未満の児童が健全に育成できるように作られた法律です。
18歳未満の女性は安易にパパ活することをおすすめしません。
なぜなら18歳未満というブランドを狙って、デートだけとみせかけて誘い、淫行しようとするパパは少なくないからです。
一例として、実際に未成年を狙って起きた児童買春の事件の記事を以下載せておきます。
食事などの対価に金銭を受け取る「パパ活」をしていた10代の少女とみだらな行為をしたとして、大阪府警松原署は18日、児童買春・ポルノ禁止法違反(買春)容疑で大阪市東成区の自営業の男(66)を書類送検した。「若い女性が好きという気持ちを抑えることができなかった」と容疑を認めている。
書類送検容疑は昨年11月、少女が18歳未満と知りながら、大阪市天王寺区のホテルでみだらな行為をし、現金1万5千円を渡したとしている。
パパ活はタダでご飯が食べられて、ときには好きなものを買ってもらい、お手当というお金ももらえるから誰でもできる…と軽く考えてしまいがちです。
物事の判断が未熟なうちはパパ活をしないほうがいいです。未成年の方は特に気をつけてください。
風俗やソープランドは売春で違法なのでは?逮捕されないの?
「性行為」とは「性器挿入行為」のことなので、性行為を行わないヘルスやデリヘルは売春とはならないため、違法ではありません。
ソープランドの場合は性行為=本番行為があります。
一見違法にみえますが、ソープランドは合法です。
なぜ違法ではないかというと、元々ソープランドで働く女性はあくまで「入浴のお手伝い」が役目です。
つまり本番行為は建前上「入浴のお手伝い中に自由恋愛に発展し、性行為をした」こととみなされ、違法ではないのです。
パパ活のお手当は税金の課税対象になる?
パパからのお手当を、親からもらったお小遣いと同じように考えていると大変なことになります。
パパ活で得た収入はきちんと税務署へ申告するようにしてください。
決まった額を定期的に得るわけではないので、都度記録しておくことをおすすめします。
特にパパ活のお手当が年間110万円を超える場合は確定申告をお忘れなく。
申告区分は「贈与」、つまり手当てを受け取った側が贈与税を支払うことになります。
既婚者パパの妻は慰謝料の請求ができる
既婚者のパパの奥さんにパパ活をしていることが知られてしまった場合には、奥さんから慰謝料請求をされることがあります。
そもそも、慰謝料が請求されるのは「法によって守られるべき利益」が侵害されてしまったからです。奥さんとしては、パパ活によって「結婚生活」という法律上の利益が侵害されてしまった=壊されてしまったから慰謝料請求をするのです。
なお、不倫があった場合の請求金額の相場は、一般的には50万から300万程度とされています。ただ、慰謝料請求をされたとしても請求されるがままに支払う必要はありません。具体的状況によっては、支払を免れたり、支払金額を大幅に減額したりすることもできます。
参考となる判例としては,いわゆる「枕営業事件」というものがあります。
この事件は、お客さんと肉体関係のあったクラブのママに対して、それを知ったお客さんの奥様が損害賠償請求をしました。ところが、裁判所は奥様からの請求を認めなかったのです。この裁判例に対しては様々な意見があるところですが、興味深いのは判旨の中で「ソープランド」や「売春」について言及がされているところです。
判旨の一部を引用しますが、「ソープランドに勤務する女性のような売春婦が対価を得て妻のある顧客と性交渉を行った場合には、当該性交渉は当該顧客の性欲処理に商売として応じたに過ぎず、何ら婚姻共同生活の平和を害するものではないから、たとえそれが長年にわたり頻回に行われ、そのことを知った妻が不快感や嫌悪感を抱いたとしても、当該妻に対する関係で不法行為を構成するものではないと解される」と示されています。
やはり、損害賠償請求が認められるかどうかは婚姻共同生活が害されたかどうかが問題となっていますね。
安全にパパ活するための注意点
パパ活はお金のやり取りをする、男女のお付き合いです。
パパ活を安全にするには、名前・大まかな住所などの相手の基本的な身元情報は手に入れておくことが大切です。
またパパと2人の間でルールを作ったときは、メールなどで残しておくようにしてください。
カラダの関係はしないと決めていたのに、付き合いが長くなってあとから迫られるようになった、などという万が一のときに役立ちます。
またもしカラダありのパパ活をするのであれば、妊娠しないように気をつけることも重要。
パパ活で望まない妊娠をしても、傷つくのは女性側が圧倒的に多いです。
パパにはきちんと避妊をしてもらうようにしてください。
パパ活をしていて女性が巻き込まれた犯罪の実態
パパ活をする際、どんなに気をつけていてもパパ活女子をターゲットにした犯罪者や、異常性のある男性の被害にあうこともあります。
パパ活における毎月の収入平均は約15万円程でした。さらに、パパ活や夜のお仕事をする中で不安に感じたことの有無について聞いたところ、「ストーカーされた」という回答が多く、他にも「ホテルに連れ込まれた」や「拉致された」など、非常に危険な経験をしたことがあると回答した人もいました。尚、パパ活や夜のお仕事をする中で不安に感じたことがあると回答した人のうち、6割以上がひとり暮らし女性という結果になりました。
パパ活という名前が知られるようになり、パパ活をしようと思う人が増えてきた今は、パパ活女子を狙ってこちらが意図していなかったことを実行しようとする男性も少なくありません。
犯罪に巻き込まれるのを未然に防ぐためには、どのような場所・サイトで知り合った男性とパパ活するのかも重要になります。
まず身分証の提示が登録条件のサイトや、信用できる人からの紹介でパパ活を始めることをおすすめします。
パパ活を検討している女性に弁護士先生から一言
人と人との間にトラブルはつきものです。さらに男女のお付き合いで、お金まで絡んでくると、どうしても危険を回避するのが難しい場合もあります。
パパ活ではデートのお手当としてお金を受け取るので、不要なトラブルはあらかじめ避けられるように、しっかり記録・把握をしておくこと。
また何か重要な事件に巻き込まれるようなこともあるかもしれません。困ったときには誰かに相談し、法的アドバイスなら弁護士からもらうようにして、自分の身を守りましょう。